【Pkmn】Love me! Love me!【悪の組織】
第4章 Emotions and heart
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小学生から大学生まで柊は発言の面白さと表情の豊かさで人気者になっていた。
「おっ!柊師匠!」
「師匠じゃ無いよ!全くもう!」
学校内に自分の存在が知れ渡っており、知らない人にも声を掛けられる程凄く人気だった。
でも人気と友達は違う。
彼女は人気者だった反面、お昼休み、業間休みの時間や教室移動の時間、登下校などはいつも1人で過ごしていた。
親は共働きで家に帰っても1人ぼっちだった。
虐められていない。
悪い事もされていない。
なのにどうしてこんなに悲しいんだろう。
なんでこんなに寂しいんだろう。
友達という友達が彼女にはいなかったのである。
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そういう過去があった彼女にとって、アカギの過去とそっくりだと感じたのだ。
人気者と嫌われ者。
全く違うようで凄く似ていた。
「…だからなんだ?」
「…孤独だからって心を捨てたなんて言わないで。」
呟いた。
笑みを浮かべた。
寂しげだが憐憫している顔だった。
「貴方だって動揺する。それは心を持ってるから。心を捨てる事なんて人間には不可能なんです。」
「動揺していない。」
「嘘です。この質問をぶつけた時確かに貴方の表情は崩れました。」
それに、と付け加える。
「貴方は心どころか感情だって捨てていない。」
「そんな事は無い!」
アカギは大きな声を上げた。
柊は心の底から笑った。