【Pkmn】Love me! Love me!【悪の組織】
第2章 Can not I go living!?
「おっ、いい匂いだなぁ!誰か料理してんのか?」
マツブサの料理中、出された紅茶を啜っているとドアが勢いよく開く。
突然響く音に柊は声を上げて驚いてしまった。
頭にはバンダナを巻き、服はウエットスーツ?…いかにも海の男らしい格好のいかつい男性。
「アオギリ…。静かに開けろ。」
「あれ?客、いたのか?!珍しい!」
驚いて震える柊に比べてその様子にガハハ、と笑うアオギリ。
「ビビらせてすまねぇ。俺はアオギリ。お前は?」
「…え、えっと、湊柊ですけど…。」
「そっか、柊か!宜しくな!」
スッと自分の頭に伸びる手。
頭を叩かれるかと思い思わず避けてしまった。
悲しそうな表情をするアオギリをフォローするかのようにサカキが口を挟む。
「アオギリはこう見えても優しい男だ。海を広げるという野望を持っている事以外はいい男だと思う。」
「海をバカにすんなよな、サカキ。陸を広げるマツブサよりかはいいだろ?!」
「貴様の野望よりは私の方が現実的だろう。」
料理をトレーに入れて持ってきた赤い男マツブサ。
「どっちも現実的では無いかと…。」
「柊と同意見だ。」
彼女とサカキの言葉を聞いて若干顰めっ面するマツブサ。
アオギリはまた笑う。
「…ネギと卵しか無かったから炒飯しか作れんかった。これ食べたら帰ってくれたまえ。」
机の上に置かれたのは中華街のお店で出てきそうなとっても美味しそうなご飯であった。
「これ、本当に貴方が作ったんですか?!」
「そうだが…なにか文句あるのかね?」
「上手過ぎて文句あります!」
子供のような眼差しで炒飯を見つめる彼女の様子を見ればマツブサは頬を緩ませて笑う。
「初対面の人にこんなにすぐ笑うマツブサ初めて見たぞ、俺!」
「黙れ、海ゴリラ。」
「なんでそうやってすぐ怒るんだよ!」
赤いおじさんと青いおじさんがギャーギャー騒ぎサカキが呆れている中、柊は幸せそうな顔で炒飯を食べていた。
「はぁ…幸せ…。」