【Pkmn】Love me! Love me!【悪の組織】
第2章 Can not I go living!?
その男性の家に入ると誰も居なかった。
「誰も…いない。」
少し予想外だった。
モノクロの部屋でダンディな部屋。
シャンデリアなど豪華な物はなく、ただ普通の部屋だった。
「まぁ…俺の部屋だしな。他の人は別の部屋で悠々自適に暮らしているだろう。」
キョロキョロと見回す様子が可笑しかったのか、男性は喉を鳴らして笑った。
「座ってくれ。話をしよう。」
父親目線で彼女を見守りながら椅子に座らせた。
そして、話は始まる。
「私はサカキ。嘗てロケット団(R団)を指揮し、カントー地方で活躍していたボスだ。」
「ロケット団…RR団とは違うんですか?」
「RR団は各地方の頭領が集まった組織だからR団とは訳が違う。」
「へ、へぇ…そうなんですかぁ…。」
「アローラの子には関係のないが、R団はこの地方で金儲けで世界征服を目論んでいた。…邪魔が入ってその夢は叶わなかったけどな。」
アローラにはスカル団と言うのが居たが、そこまで大きな組織でも無かった。男性…いや、サカキが言うR団と言うのはエーテル財団と同じだったのだろうと思われる。
「…お前は?」
「…え?」
ずっとサカキを見つめて話を聞いていた柊は不意に目が重なった。
目を見て話すのは苦手だった彼女は視線を逸らす。
「お前の事は名前しか知らん。中身についても教えていただきたい。」
中身…。その言い方が引っ掛かったのか眉間にしわを寄せながらも自分の事を話し始めた。