【Pkmn】Love me! Love me!【悪の組織】
第2章 Can not I go living!?
リムジンに乗るとふんわり漂ういい香り。
ラベンダーだろうか。
「…。」
黙り続けて、固まっている女性。
柊である。
「そう緊張するな。無理もないが、緊張し過ぎると私も話しにくい。」
ハット帽を取るとオールバックの髪が印象的のお客様。
「な、なんで貴方は私の名前を知っていたのですか…?」
今日起こった突然の出来事。
そして知られていた自分の名前。
色々な事で頭が回らなかったが、1つずつ解消しようとする彼女。
「…君は3年前、アローラ地方にいた子だろう?」
「!」
なんでそこまで知ってるの?!、と言おうとしたタイミングで更に話を重ねる。
「その時にいた、RR団を束ねていたのが俺だ。」
雷を撃たれたような衝撃だった。
と同時に柊は思い出した。
ー ルザミーネさんを誘拐して酷いことをした人だ!
詳しい事など分からない。テレビでしか見た事が無いから。
でも、悪い奴らってことぐらいは分かってる。
「な、な、なんで、その、ボス、が、私の事を知ってるの?!」
「アローラ地方に住んでいた人々は全て調査済みだ。」
「そんな…!」
緊張が一気に解れたが警戒心を強くする柊。
男性は鼻でフッ、と笑うと話を続けた。
「RR団が壊滅したが、我々は今だに会って話をしている。…と言いうよりか…」
「なんですか?!まだ何かあるんですか?!」
「…皆カントー地方にいるんだ。」
「はぁ?!嘘でしょ?!」
「本当だ。嘘は付かない。」
唖然とした阿呆な顔をした。
各自、悪巧みをしていた奴らがカントー地方で活動してるなんて。
「…では、私がその出来事を知ってるから、私にスマホを直させるという名目で接触したんですか?」
一旦の思考停止後、こほん、と咳払いして問いかけた。
「いや、それは本当だ。まぁ…その話は着いてからにしようじゃないか。そろそろ家だ。忘れ物するなよ。」
あの人達全員がこの家にいる。そう考えると柊は怖くてたまらなかった。