第1章 紅茶
だんだん自分が汗ばんでくるのを感じた。もしかして、熱があるのか…?風邪をひいたのか…?
「なんか…」
ちらりとクザンさんを見た。表情一つ変えずにじっとこちらを見る。目が合って、さらに自分が熱くなる。どうしたんだろう…?
「どうしたの?」
「暑くて…」
すると、自分の下半身に熱が集まるのが分かった。どうしよう…。
「うっ…」
自分の身に何が起こっているのかわからない、ただ、すごく恥ずかしいことは多分わかる。
「アンナ…?」
「ね、ぇ…ど、うし…」
歩み寄ってくるクザンさんの目が少しだけ興奮している気がする。
「クザ、さ…」
「悪いね、アンナ」
私の首もとに手をまわす。クザンさんの手がとても冷たいのと、自分に肌が擦られ、自分でも驚くほどにビクッと反応してしまう。
「や、だ…」
「落ち着いて、ベッド行こうか」
私を軽々と片手で抱き上げる。先ほどまで私が飲んでいたアイスティーのグラスから氷を取ると、自分の口に含んだ。すると、そのまま私にキスをして口移しで氷を私の口に入れた。
「や、ぁ…なんれ、なに」
「ちゃんと噛んで食べな、アンナ」
言われたとおりに氷をかんで食べるしかなかった。紅茶の味とイチゴ風味で口の中が冷たく、甘い。
「いい子だね」
「ね、なに、これ…」