今日は何処で、どんな風に…【文豪ストレイドッグス】【R18】
第4章 ホテルで、嫉妬深く…
「ねぇ中也…?どこいくの」
中也は何も言わずに歩き続ける。駅に行くのかと思いきや別の道に入り、だんだんとネオンが明るくなってきた。周りには見慣れない看板と、カップルが手を組んだり密着して歩く姿が伺える。
察した私は歩みを止める。
「んだよ、歩けよ」
「や…やだ」
「何が」
「だって…今の中也…怖い」
半ば泣きそうになりながら、そっぽを向いて今の気持ちを伝えた。
「…蛍。」
「ん…?」
優しすぎるくらいの声で名前を呼ばれる。それに応えようと上を向くと、優しく頬に手を添えられ、それとは裏腹に思い切り唇に中也のそれが押し当てられた。
「ちゅ、や!?ここ外だよ!?」
「知ってる」
にやりと笑った彼はもう引き返す気は無いようだ。
すると突然体が宙に浮く。
というか、横抱きにされる。
中也はまるで何も入っていない箱を抱えるかのように軽々と私の体を抱き抱えて、少し歩くと名も知らない建物に入る。入口付近で優しく降ろされた。
落ち着いた雰囲気の内装に、上がっていた心拍数は収まるかと思いきや、むしろ上昇するばかり。
今から何をするか分かってるから、緊張が止まらない。
しかも初めてだし。
中也は適当に部屋をとって鍵を貰うと、私の手を優しく握り部屋まで連れていく。
部屋に着くまでに何も話さないのかと思っていたら、不意をつくように話しかけてきた。
「今から何するかわかってるだろ」
「…わかんない」
「ならわからせる迄だ」
繋がれた手はそのまま、部屋に入る。
少し熱を感じた。
入るなり目の前のベッドに思い切り飛び込む中也。
そしてうつ伏せになる。
私はその状態の中也におそるおそる話しかけた。
「ねぇ中也、ほんとに…するの?」
「…嫌か?」
「…!」
「手前が嫌だってんなら無理強いはしねぇ。でも俺は今無性に手前を抱きてぇんだ。他の男なんか目も暮れねぇ程、滅茶苦茶に抱きたい」
「中也…馬鹿だよ」
「あ?なんつった?」
「馬鹿だよ。もう充分私は中也しか見てないのに」