第3章 ソファの上で、甘く…【太宰治】

私はフリーズした。

行為自体が初めてな訳じゃない、けどソファでするなんてそんな高度なことはしたことが無かったからだ。



「え、えと、」


「とか聴きながら私はもう待つ気は無いんだけどね…」




彼は私を抱き抱えて、ソファから立ち上がる。

移動するのかと思いきや、彼は私を所謂姫抱きにしたままソファに座り直した。

そして私を膝の上に座らせる。




「膝、ソファについて、私の太ももに向かい合わせになるように座れる？」


「ふぇ」



一瞬戸惑ったが、有無を言わさないような目は、もう多分何を言っても無駄だと悟ったので、言われた通りに座った。


思ったより恥ずかしい。
太宰さんの息が胸の辺りにかかるのがくすぐったくてもう既に意識が飛びそうだ。


「いい子…首に腕まわして」


彼は犬でも宥めるように優しい甘ったるい声で私に呼びかける。ぎこちなく彼の首に私は手をまわした。


すると突然鎖骨の辺りに吸い付いて、跡を付け始める。ちくりと痛むその感覚が気持ちいい。

彼は私の腰を左腕で抑えながら、右手で器用に私のシャツの釦を外していく。そして、上半身が下着姿になったところで、胸に柔らかく唇を乗せて、しっとりと舐め回す。

なんとも言えない感覚に、思わず体がぴくりと反応する。声はかろうじて抑えられた。




「声…抑えなくていいのに…？」


彼は熱を帯びた上目遣いで、胸に唇を付けたまま話すので、吐息が胸の濡れた部分に当たるのが気持ちよくて、思わず声を漏らした。