今日は何処で、どんな風に…【文豪ストレイドッグス】【R18】
第3章 ソファの上で、甘く…【太宰治】
「ソファで寝ちゃったら風邪ひきますよ…」
ゆらゆらと彼の肩を揺らす。
「んんっ…ぁ…」
しかし、起きるよう促しても唸り声を上げるだけ。仕方なく毛布でもかけてあげようと思い、その場を去ろうとした時。
ぐいっと掴まれた腕につられて、呆気なくソファに体が倒れ込んで、治さんの上に思い切り乗っかる状態になった。
「…!?」
「引っかかった」
…引っかかったとは、一体…?
と思っていると、ふいに背中に彼の右腕がするっとまわってきて、もう片方の左腕は私の後頭部を抑えて、彼は深く口付けた。
さっきとは違う、深い甘い溶けるようなキス。体勢がいつもと違って、息が上がるのが早い。相手の加速する鼓動が直に伝わってくる。
「ほんとは眠くないよ…」
突然、治さんはキスの合間に吐息混じりでそう呟いた。
そこでようやく理解した。
罠だった、ということか。
するとまた軽くリップ音がする。ちゅ、と音は鳴って、すぐに唇は離れた。
「ねぇ、蛍」
「は、はぃ…?」
息が上がっている私を愛おしそうに見つめながら、彼は後頭部を抑えていた左手で髪を優しく梳く。
一瞬の沈黙の後、彼は私をまた抱きしめ直して、耳元で囁いた。
「ここで抱いても、いいかい?」