今日は何処で、どんな風に…【文豪ストレイドッグス】【R18】
第3章 ソファの上で、甘く…【太宰治】
少し触れただけなのに、一瞬で疲労が消え去ったみたいな、甘くて幸せなキス。
名残惜しく離れた唇は、まだ少し熱を持っていた。
すると、彼は私の手をきゅっと握って、リビングへと入り込む。
「じゃーーん」
「…??」
彼が嬉しそうに両手を広げるので、ダイニングを見ると、そこには美味しそうな料理が並んでいた。見たところ、シチューと、ハンバーグと、サラダと。見た目は完璧で、むしろ料理店とかでも見るほどの出来栄え。
「すごい…!」
「ふふ、でしょでしょ?」
彼は自慢げにしながら、私に椅子に座るよう促す。
信じられない。失礼ながら、こんなこと絶対しない人だと思ってたから、←
素直に嬉しかった。
「どう?私絶対素敵なお嫁さんになれるでしょ。」
「お嫁さんになってどうするんですか…」
なんて冗談を交わして、ふふっと微笑む。
椅子に座ると、ふわりといい香りがした。
まだ湯気の立つシチューに口をつけると、ミルクのコクと野菜の出汁がいい感じに混ざりあって、絶妙に美味しかった。
ハンバーグも申し分ない味。これは私も料理の腕を上げなくては、と驚かされるほどだった。
「美味しいでしょ、私頑張ったんだよ〜♪」
「美味しいです…ありがとう、治…さん///」
まだ下の名前で呼ぶのに慣れてなくて、ほとんど最後の方は声が出ていなかった。
彼の顔が少し赤くなっているのを見ると、こっちまで更に恥ずかしくなってしまった。
美味しい料理を食べて、他愛もない話をして、これからはこんな風に2人で過ごしていくのが当たり前になるんだと思うと、幸せになった。
「はぁ…お腹いっぱい〜」
治さんは、ふらふらと立ち上がって移動し、ソファに倒れ込んだ。