今日は何処で、どんな風に…【文豪ストレイドッグス】【R18】
第2章 執務室で、甘く…【中原中也】
覚悟を決めた。キスくらいで、彼の疲労が少しでも和らぐのなら。それに、これはただの幹部補佐には出来ない、恋人だからこその特権だ。
ほんの少し顔を上げれば、容易に彼の唇に自分の唇が重なった。
ほんの少し触れるだけの、軽いキス。
「んーっ…足んねぇなぁ…まだまだ…」
そう言うと、彼は私の頭を抱え込んで、逃がさないとでも言うように啄むように唇に口付ける。
水音が、室内に響く。それは、ものの数秒程で鳴りやんだ。唇と唇が、そっと、名残惜しそうに離れる。
私は、少し物足りなく感じた。
彼の色気に翻弄されて、もっと欲しくなってしまったからだ。彼を癒すつもりが、逆に自分の欲を満たしたくなってしまうなんて。
「…んだよ。物欲しそうな顔、すんなよ」
「ば、ばか…してませんよ…///」
「俺ァまだ仕事があんだよ…」
そう言って、ベッドから立ち上がろうとする彼のシャツの裾を、くっと掴んだのがいけなかったのだろう。
彼のスイッチが入った音がした。