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獣電戦隊キョウリュウジャー

第10章 「ココドコ?めいろをぶっとばせ」




『ノブハルさん…!!どこに…!!』

足を進めると中には人がたくさん

「どうして…!?」

「行かないで…!!」

「お父さん!!」

『何…これ…』

フラフラと歩きながら涙を流す人々

『大丈夫…ですか…?』

恐る恐る声をかけるが聞こえていないようだ

『早く何とかしないと…!!』

《…》

《…》

『え…!?』

が振り返るとそこにはいるはずのない人

『何で…』

《会いたかったよ……》

『お母さん…お父さん…!?』

《おいで…会いたかった…》

2人は手招きをする

幻でもいい…

『お母さん!!お父さん!!』

は2人に駆け寄る


フッ…


『!!』

2人の腕の中に飛び込もうとしたがそれはできなかった

触れることができない

2人はコヨミを見て微笑み、離れていく

『待って…!!!』

は2人を追いかける

『待って!』

《…》

『!!』

いつの間にか後ろにいた2人

『お母さん…!!お父さん…!!会いたかっ…!!』

《生きてて楽しい?》

『え…?』

《生きてて楽しい?》

『それは…』

両親が早くに死んで学校でも孤立して…正直楽しいと思ったことはない…でも…

『新しい友達ができたの…こんな私でも…仲間って言ってくれて…』

《そう…私たちは寂しいわ…》

『お母さん…』

《あなたを庇ったせいで…私たちが死んでしまったのに…》

『…っ!!』

あれは蒸し暑い夏の日

の家は近所も羨ましがるほど仲のいい家族だった

しかしそんな家族を引き裂く事件は起こった

家に強盗事件の犯人が立てこもり、銃で家族を脅した

父と母は子供を黙って強く抱きしめていた

幼いはすぐ理解した

“この人たちは悪い人”

“この人たちは怖い人”

外はカーテンで見えないが、パトカーのサイレンが響いている

男たちは焦っている

父は焦っている男たちに飛び掛る

鳴り響く銃声と鉄の匂い

生暖かい液体が手のひらを触れる

ゆっくり倒れる2人の体

そして慌てふためく2人の男

2人は…私を庇ったせいで死んだ

私を助けるために死んだ

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