第24章 不安定要素
————次の日。
またもや文化祭に向けてのホームルームの時間。
中「そういや衣装は如何すンだ?」
「「「……。」」」
高校生の教室がこんなにも静まることなどあるのか。
感心を覚えた愛理は今日も今日とて窓の外を眺める。
ほんの数秒だけ静まり返った教室は再び賑やかしさを取り戻した。
中原が親戚に着物やドレスを大量に持っている人がいる、と云うので皆は其処から借りられるように交渉するようだ。
「親戚の方へは学級委員長の僕と中原君が行けば大丈夫かな?」
中「いや、此奴が居りゃア充分だ。」
クイッと親指で指された彼女はそれでも尚外を見続けている。
中「おい!無視してンじゃねェ!」
『あ"いたっ…!!』
頭に手刀を入れられ涙目で加害者を見やる。
中「な"っ……なンだよ。」
『暴力、ダメ、ゼッタイ。』
中「手前が話聞いてねェからだろ!」
『……私は行けない。』
中「なンでだよ。」
『こんな脳筋ゴリラにリード付けて町を歩くなんて無理だもん。』
拳を握り締めワナワナと震え上がる中原。
周囲は何時ものコントが始まったと楽しげな眼を二人に向けた。
中「善は急げだ。明日行くぞ。」
『明日!?それは流石に無理。姐さんにも悪いし。』
中「愛理が来るって云や喜ぶだろ。」
『せめて明後日にしてくれない?日曜だしそれなら休み明けのホームルームにも間に合うしいいでしょ?」
中「嗚呼、分かった。」
とりあえずは円滑に執り行われることが決定した為話は次の議題へと進む。