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在りし日の歌【文スト】【短編集】

第17章 拾い者と落し者 其の壱




敦「いやいやいやいや、待って下さい!僕達ずっと勘違いしていたって事ですか?」

太「うん。」

国「貴様も紛らわしい事を云うな。」

『私は質問に答えただけですし。』

太「まぁ一緒の布団で抱き合って寝たのは事実だしねー?」

国/敦「「な゛っ!!」」


だから何なの此の二人。初心なの?
と云うか此処突っ込み役居ないの?


『あれは太宰さんが先に抱き着いて来たんじゃないですか。』

太「私無しでは眠れない様にしてあげようと思って♡」

『其れはどっちの意味ですか?』

太「ふふっ、どっちも。」

『両方御断りします。』


適当に彼をあしらうと未だに心此処に在らずの国木田さんを揺すり現実に引き戻す。
と、彼は嗚呼。とだけ云い自分の机に戻っていった。
先刻までの事を無かった事にする心算なのだろう。


『国木田さん、私にも出来る事ありませんか?』

国「社員でもないのに仕事をさせる訳にはいかん。」

乱「じゃあ僕とお菓子買いに行こうよ。」


急に聞こえた無邪気な声の元に眼をやれば糸目の少年?が立っていた。


『えっと、初めまして。宮野愛理です。』

乱「あぁ、社長から話は聞いてるよー。僕は名探偵の江戸川乱歩だよ!」

『名探偵?』

太「昨日話していた人だよ。どんな難事件でも乱歩さんの手にかかれば明白だと。」

『嗚呼!こんなにお若い方だとは思いませんでした。』


率直に感想を云うと太宰さんがこう見えて彼は26歳だよ、と教えてくれる。
其れにまた驚いた私の手を江戸川さんが引っ張る。


乱「ほらほら、お菓子買いに行くよ!あんまり僕を待たせないでよね!」

『あ、す、すみません!』

乱「早くしないと会えなくなるから。』ボソッ


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