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大好きな君へ

第5章 嫌になるぐらいに君が好き


大倉side

今俺の目の前で
あかねの背中が小さく震えてる…



"ひどいことをしている"


そんなことはわかってる…



苦しめても

泣かせても



それでも


手放したくない…




いつから俺はこんなに

卑怯になったんやろうか…?



「亮ちゃん…」


亮ちゃんの名前を呼ぶ

あかねの声はひどく弱々しくて



小さく震えてる体を

引き寄せると


苦しそうな嗚咽が

抱きしめた腕の中で聞こえる…



「大倉…なんでやねん…?」



そう力なく呟く
亮ちゃんの声を


悲しそうに
こっちを見てるはなさんの視線を



無視して



「もう帰ろう…?」


そう言って歩きだす俺の手に

抗うことなくふらふらと

足を踏み出すあかねを車に乗せて




その場から逃げるように

走り出す卑怯者の俺を




あの2人は今

どう思ってるんやろ?



憎んでる?

怒ってる?



それとも


哀れんでる…?





それでもいい…






それでもいいから






俺の側から離れていかんといて…?
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