第5章 嫌になるぐらいに君が好き
「なんでここに…?」
訳がわからずそう呟いた俺に
はなさんは笑顔のまま首を傾げて
「なんでって何よ…(笑)
亮が会いたがってるって言うから
忙しい中わざわざ来てあげたのに…
ほんとかわいくないよね…(笑)」
そう言って俺の髪をわしゃわしゃと
かき回す…
そんなはなさんの手を掴み
「会いたいって誰から!?」
そう慌てて聞いた俺に
「誰って大倉くんだけど…?
亮ちゃんが最近落ち込んでて
話を聞いてやって欲しいって言われて…
もしかして…違うの…?」
そんなありえない言葉が
返ってくる…
そして……
少し遠くから聞こえてくる
「亮ちゃん………」
気が遠くなるほど聞きたかったはずの
俺の名前を呼ぶ聞き慣れた
その声は
ひどく悲しそうに
震えていた…