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大好きな君へ

第5章 嫌になるぐらいに君が好き


そして確信は


黒くて汚い嫉妬に変わる……




「大倉さん……」



俺を呼ぶあかねの声は

微かに小さく震えてて



次の言葉を聞くのが怖くて…




「ごめん…(笑)

やっぱり今日は帰るわ…」



そう言って逃げだそうとする俺に




「私…大倉さんを裏切った……」




なんてあかねは


震える声で


ポロポロと

その目から涙を溢しながら


言う…………




あかねの涙を見ながら



ポタポタと音を立て


俺の胸の中を

黒くて冷たい感情が

埋め尽くしていくんが解る…




「大倉さん…私…」



「やめろ…」



「大倉さん以外の人と寝た…」



「やめろ……って…」



「私は…」



「やめろって言うてるやんか!?」




静かな部屋の中に響き渡る

俺の声と



あかねの喉から漏れる小さな嗚咽…




胸が張り裂けそうになって



「もうそれ以上言わんでいい…


たった一回の間違いやろ…?


許すよ…

全部なかったことにしたらいい…



やから…」




そう言って伸ばした手に

気付くことはなく





あかねは小さな声で


"ごめんなさい…"




そう何度も何度も繰り返す…





そしてその言葉は鋭いナイフのように





俺の心を


容赦なく何度も何度も突き刺した…
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