第4章 無くした心の取り戻し方
初めて触れた亮ちゃんの唇は
不思議なほどに
すごく胸をドキドキさせ
触れた瞬間に
ずっと隠れてた自分の気持ちが
怖いほどに溢れだして…
はっきりと
自分自身に答えを見せつけるんだ…
私は
亮ちゃんが
好きなんだって…
ゆっくりと触れていた唇を離して
亮ちゃんの目を見つめると
そこには私が映っていて
そこに映る私は
すごく幸せそうに見えたんだ
バカだなぁ…私は…
ずっとすごく側にいたのに
あまりに近すぎて見えなかったんだ…
いつも当たり前に
亮ちゃんの名前を呼べることが
こんなにも
私にはかけがえのない
大切なことだったんだって…
「ごめんね…亮ちゃん…?
私…亮ちゃんが好きだ…
亮ちゃんのことが…
すごくすごく大好き…みたい(笑)
ごめん……ね…?
ほんとに……ご…めん…」
そう言って
涙でぐちゃぐちゃな顔で
何度も"ごめん"の言葉を繰り返しながら
後退りする私を
亮ちゃんは
すごく悲しそうな顔で見つめて
「もう…
どこにも行かさへん…」
そんな言葉と一緒に
亮ちゃんは私を引き寄せ
ぎゅっと痛いほどに
私の体を抱きしめた……