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大好きな君へ

第4章 無くした心の取り戻し方


くっついた背中から聞こえる

少し早くて規則的な心臓の音は


いつだったか…


亮ちゃんに

寝ぼけて抱きしめられた時と

同じように


すごく落ち着く音で…



その音に促されるように



「亮…ちゃん…」



そう恐る恐る名前を呼ぶと…



「あかね…?」



亮ちゃんは

戸惑ったように

私の名前を呼ぶ…







今感じてる亮ちゃんの体温も

私を見つめる優しい目も

私の名前を呼ぶ亮ちゃんの声も…





少し前まで


当たり前に側にあったはずの

その全部が




苦しいぐらい

すごくすごく愛しくて






抱きしめた腕にぎゅっと

力を入れて…





「お前…何…してんねん…?」




そう言って

驚いて振り返った亮ちゃんに私は…







背伸びをして

キスをした…
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