第4章 無くした心の取り戻し方
あかねside
夕食の約束をしたお店で
大倉さんの後ろから店に入ってくる
亮ちゃんを見た時
心臓が止まるんじゃないかと思った…
私を見る亮ちゃんの目は
前と変わらず優しくて
その目に見つめられると
なぜだか胸がどくんどくんと
うるさく騒いで落ち着かなくて…
それに…
"亮ちゃん"
そう一度でも名前を呼んでしまうと
今手にしてる全てものが
脆く崩れてしまいそうで…
食事をしている間も
食事が終わってからも
名前を呼ぶことも
目を会わせることも
私には怖くて出来なかった…