第3章 片思いの終わらせ方
玄関の扉がパタンと閉まる音に
涙は余計に溢れてきて
拭っても拭っても止まらない涙に
踞ったまま動けずにいると
そんな私の体を
ふわりと温かい腕が包み込む……
抱きしめられた腕の中で
「お…おくら…さん……?」
「うん……」
「私……何で……もう…解らない…」
「大丈夫やから…
何も言わんでええから…
ただ…
俺の側におって…?」
そんな大倉さんの言葉に
顔をあげると
私の頬に大倉さんの手が触れて
涙でぐちゃぐちゃな私の顔を
ゆっくりと引き寄せらる…
始めてのキスの後
私の涙を拭ってくれる
優しい大倉さんの手に…
「今のは…ずるいですよ…?」
そう呟いて下を向くと…
「俺がずるくなんのも全部
あかねちゃんのせいやんか…(笑)」
そう言って大倉さんはまた私の体を
ぎゅっと抱きしめた…