第3章 片思いの終わらせ方
亮side
その日の夜遅く
ピンポーンと部屋に聞こえてくる音に
やっぱり来たか…(笑)
なんて笑いを噛み殺しながら
玄関の扉を開くと
予想通り…
俺が選んだ服に包まれて
疲れた顔をしたあかねが
袋一杯に缶ビールを抱えて
現れる…(笑)
「うぅ…疲れた…(涙)」
そう言って
俺の家のソファーで
俺のトレーナーとスエットに身を包み
勢いよくビールを喉に
流しこんでいくあかねに…
「どうやった…
大倉との初デートは?」
そう聞いてみると…
「デートは楽しかったよ?
でも…やっぱり
相手によく見られたいとか…
嫌われたくないなぁ…
みたいな見栄をらしくもなく
張っちゃって
なんか終わる頃には
肩がっちがちに固まっちゃってたや(笑)」
なんてあかねは
とんとんと自分の肩を叩きながら
ビールのせいて赤く染まった
ほっぺたで恥ずかしそうに笑う…
そんなあかねの疲れきった様子に
なんだか少しほっとしたものの
眠たそうに
目を擦りながら
「大倉さんに…
付き合おうって…言われてさ…?
そりゃもう嬉しかったんだよ…
なのにさ…
"はい"って即答出来なかった…
どう…して…かな…亮ちゃ……」
そう言いながら
俺の肩に頭を預けて
すぅすぅと寝息を立て始めた
あかねに
"大倉のとこになんか行くな…
ずっと俺の側に…"
そう言えない自分が
すごく情けなくて
すごく卑怯に思えた……