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大好きな君へ

第3章 片思いの終わらせ方


大倉さんとの待ち合わせ10分前

私の中の

ドキドキと不安が喧嘩を始めて


うん…不安の方が

圧倒的に優勢だ…(涙)



2月の風に戦いを挑んだワンピースは

頼りなくひらひらと揺れているし…



履き馴れない少し高めのハイヒールは

私の足首を支えるのに手一杯な模様…(涙)




あぁ…もう

家に帰りたくなってきたなぁ…(涙)



ひとりぼっちの廃れた公園の中



着なれたトレーナーとジーパンと

スニーカーが

ひどく恋しくて


足を隠すようにしゃがみ込み

小さく丸まっていると


そんな私の背中にタイミング悪く



「あかねちゃん…?」



私を呼ぶ声がする…(涙)



「はい…すいません!!」



なんて訳の解らない謝罪を口にしながら

慌てて振り返りながら立ち上がると


頼りなく私の足首を支えていた

ハイヒールさんは


その力を余すことなく発揮して

グニャリと私をよろけさせ



スローモーションのごとく

私の身体は傾いていく…(汗)




"亮ちゃん…ヘルプ…(涙)"


そう心の中で叫びながら

ぎゅっと目を閉じると



ぽすりっという軽い音と一緒に

私の身体はふわりと暖かいものに

包み込まれる…



恐る恐る目を開くと

そこは大倉さんの腕の中で…



「かわいすぎるやろ(笑)」


なんて囁く大倉さんの声が

耳元で低く響いた…
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