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大好きな君へ

第2章 意地悪なバレンタイン


あかねside


お風呂上がりの今

私はベッドに腰掛け缶ビールを

片手に悩んでいる…


亮ちゃんの家を出て

家に帰る途中

スマホに届いた2件のメール…


一つは大倉さんからで…

もう一つは亮ちゃんからだ…



家に帰り

お風呂から出て今に至るまで私は

そのメールを開くことが出来ずにいる…



大倉さんからのメールはまだしも



いつもなら亮ちゃんからの

メールを読むのに

躊躇なんてしない…



でも……

さっき私の目に触れた亮ちゃんの手が

微かに震えていて


その手の感触が

どうしても頭から離れてくれないんだ…



いつもと違う亮ちゃんな態度に

頭も心もぐちゃぐちゃで


こうなりゃやけだ!!


なんて目の前にあるスマホを

ため息を吐き出しながら

拾い上げ



目を閉じて"えぃっ"と

小さな掛け声と一緒に開くと


そこには……




『チョコ旨かった……』



そんな短い文字が愛想もなく

並んでいて


なぜだかどくんと

胸が大きな音を立てた……
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