第2章 意地悪なバレンタイン
亮side
「ねぇ…亮ちゃん…
あれは一体…どういう意味だと思う…?」
予告もなく家に押し掛けてきたかと思うと
人の家のソファーに座り
ビールを片手に不思議そうに
首をかしげるあかねの隣に
「そもそもその"あれ"を教えてくれな
分かるわけないやろ…(笑)?」
そう言いながら
腰を下ろすと
なんだかほぉーっとした顔を
俺の方に顔を向けて
ゆっくり一度深呼吸をし
ぽつりぽつりと言葉を続ける…
「今日ね…?
頑張ってチョコ渡したんだよ…
大倉さんに…」
「うん…」
「でもそこでさ…
タイミング悪く男連れのはなさんに
会っちゃったんだよね…(笑)」
「はなさんに"二人お似合いだね(笑)"
なんて言われてさ…
大倉さん…ほんと解りやすく
泣きそうな顔してて…
もうその顔見てたらさ…
なんか無性に腹が立って来ちゃて…
つい勢いにまかせて…
"私は大倉さんがすきです!!"って
だからバカみたいに
はなさんの言葉に傷付かないでって
言っちゃたんだよね…(笑)」
「あかねらしいな…(笑)」
「でしょ(笑)?
ほんとはこんなはずじゃなかったんだよ?
もっとちゃんと可愛いげのある
告白にするつもりだったのに…(笑)
こんなだからさ
きっぱりはっきり
ふられるの覚悟してたんだよ…
でもね…?
大倉さんから返ってきた言葉が…
なんか私が思ってた言葉と
違ったんだよね…」