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大好きな君へ

第2章 意地悪なバレンタイン


2月14日……


バレンタイン当日

私に与えられた時間は

30分だ…



あの日

大倉さんから返ってきたメールは



『仕事があるからあんまり時間取られへんけど

それでも大丈夫?』



という…

かなり微妙な感じのお返事で



『全然大丈夫です!

忙しいのにすいません!』



そう必死に食らいつき

勝ち取った時間がこの30分だ…



待ち合わせ場所で

大倉さんを待っている今


心臓はばくばくうるさく騒いで

足はガクガク震えまくりで

どうにも落ち着かない…(汗)



その上…


待ち合わせの時間を過ぎても

大倉さんはなかなか現れる気配もなく


私の不安な気分を写し出したかのように

どんよりした空からは

チラチラと雪が降りだす始末だ…(涙)



待ち合わせの時間から

必死に勝ち取った30分が過ぎても

うんともすんとも言わないスマホを見つめ



「もしかしてこれは…

告白以前にフラれてしまった感じ…(笑)?」



なんてため息を吐き出し

寒さですっかりかじかんで

感覚さえもなくなった足元に

視線を落とすと


その瞬間



「遅くなってごめんな…?」



そんな声と一緒に

私の上には大きな黒い傘が

差し出された…
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