第16章 椎名 ニキ / 美味しそうな人 ★
「ニキ……くん…?」
自制が、利かない。
姐さんを押し倒して、それから…
「姐さん…ごめ…、逃げて……」
このまま喰らい付きたい
そんな思いを必死に堪えて、言葉を絞り出した。
「ニキくん…? 顔色が悪いよ、本当に大丈夫!? お医者さん行く?? それより何かすぐに食べられるお菓子でも…」
姐さんは、優しい…
こんな時まで、僕の心配をして…
だから僕は姐さんの事…
あぁ、そうか
僕は昔から姐さんの事…
好きだったんだ
そこで僕の意識は消えて行った
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「ニキく……んっ…!??」
ニキくんは貪るように、喰らい付くようにキスを繰り返す。
呼吸が苦しくなって唇を離しても、すぐに塞がれて。
少し開いた口の端からニキくんの舌が入り、口内をなぞる。
まるで試食されているような、じっくりと、確かめるように…
どんどん力が入らなくなっていく。
「……っは、…ニキ、くん……?」
ようやく唇が離れて、彼の顔を伺い名を呼ぶも
まるで、私の声なんて聞こえてないようだった。
荒い呼吸で、ジッと私を見つめるニキくん。
その鋭い瞳にドキッとする。
「ニキくん…? あの…、だいじょう…ひゃあっ///」
急に首筋に吸い付かれ、身体が跳ねる。
ソレがどんどん下に下がっていき、同時に器用に服を脱がしていく。
「あっ…ま、待って、だめ…っ///」
咄嗟に服を脱がせる手を阻止しようと、こちらも手を伸ばすが、あっさりと捕まって片手で拘束されてしまう。
邪魔の無くなった彼の片手は簡単に着ていたブラウスのボタンを全て外し、露わになった胸の谷間に顔を埋めた。
そして、形を確認するように、胸の膨らみに沿って手を滑らせた。
最初は下着の上から…
そして、下着をズラしてまた手を滑らせる。