第6章 漣 ジュン / もう二度と… ★
ー完全防音スタジオー
「〇〇さん、お待たせしてすみません!」
「いやいや、全然待ってないから大丈夫だよ~。急に呼び出しちゃってごめんね」
「いえ、確か、tricksterの新曲についてでしたね、もう完成したんですか!?」
「そうなんだよ~。北斗くん達に渡す前に、キミの意見が聞きたいな~って思ってね」
「ありがとうございます!」
「ほら、もっとこっちにおいで…」
「あ、はい……っ、えっ…??」
急に腰に手を回され、ぐいっと引き寄せられる。
「あ…あの…? 〇〇さん…?」
「ん? あぁ、ごめんね、ちょっと音量が小さくてさ、これくらい近付かないと聞こえないと思ってね…」
「そ、そうでしたか…分かりました…」
「…ん、いい子だね、プロデューサーちゃん…」
腰に回された手は厭らしく身体のラインをなぞっていく。
耳元に息を吹きかけられ、身体がゾクゾクと震えた。
「あ…あの…きょ、曲は……?」
「ふふ、もう分かるでしょ、子供じゃないんだからさぁ…」
「ひゃあっ!?」
首筋にぬるっとした感触。
それを皮切りに手が胸を揉んでくる。
「へぇ、結構大きいんだねプロデューサーちゃん♪」
「やっ、嫌、離して…っ!!」
「何で? ここに一人で来るなんて、プロデューサーちゃんもこーゆーコト期待してたんでしょ?」
「ちっ…違います!!」
「またまたぁ…」
手が服の中に入って…
「はい、ここまでッスよ~」
「「!!?」」
気怠い声がスタジオ内に響いた。
「さ…漣くん…」
「なっ何で…鍵を掛けたハズ…!!?」
「あー。ここ、コズプロの管理ッスからね。副所長サマに言えばすぐにマスターキーくれたんで」
「あ…七草くん…」
「そっす」
「クソっ…」
「ちなみに、ここまでのアンタの行動、動画撮ってるんで。…この意味、分かるッスよね?子供じゃねーんだから」
「…っ!!」
顔を思いっきり歪ませて、〇〇は急いで出て行った。
「さ…漣くん…ありがとう…」
「…はぁ…」
深い溜息をついて、俺はプロデューサーを押し倒した。