第6章 漣 ジュン / もう二度と… ★
ーES内 コズプロ敷地内ー
「・・・あれ?こんな時間にこんなとこで何してんすかプロデューサー」
「あっ、漣くん…」
時間はもう20:00をゆうに超えている。
この人はワーカーホリック(仕事中毒)だと聞いた事あるけど
どうやら本当だったみてぇっスね。
見事に大量な書類を抱えてる。
「…ソレ、何処まで運ぶんスか? 手伝いますよ」
「えっ、そんな…これは私の仕事だし、アイドルに手伝って貰う訳には…」
「そーゆーの別にいいじゃないっすか。もうこんな時間だし、手伝った方が早く終わると思いますけど?」
「そ…それは…そう…ですが…、で、でも!やっぱり大丈夫です!!心配してくれてありがとうございます!!では、これで!!」
全然大丈夫でなさそうな笑顔を浮かべて、足早に去って行くプロデューサー。
なーんか、調子狂うんスよね。
普段、おひぃさんに無茶ぶりされてる分、そーゆー遠慮丸出しな対応されると…
気になるっつーの。
「…あぁ、くそっ…」
俺はプロデューサーが向かった先に足を向けた。
「-はい、今コズプロにおりまして…、はい、そうですね…」
プロデューサーの後ろ姿を見付けたと思ったら、電話中か…。
どーするッスかねぇ…。
「…え?今からスタジオですか…? えぇ、あの完全防音設備があるというスタジオですよね? はい、場所は分かります…。〇〇さんも今そちらに…? …はい、分かりました、今から向かいますね」
…こんな時間に完全防音のスタジオ…ねぇ…。
〇〇っていや確か…あんまり評判の良い噂の聞かねぇ野郎っすね…。
………。