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雨の帰り道

第1章 雨の日


光里と圭祐は夕食後、コーヒーを飲みながら
仔犬の事を話し合った。
「和泉君ちで飼うのは難しいよね。」
「一人暮らしの高校生なので、構える時間が少なくないんです。
的羽さんは無理なんですか?」
「うーん、このアパートがペット可かわからないんだよね。
どうせ飼わないと思ってよく確認しなかったから。
後で確認してみるね。今夜は仔犬はここで過ごして、
明日連絡するのでも大丈夫?」
「はい!僕、スマホ持ってます。連絡先を聞いても良いですか?」

連絡先を交換すると次は名前の話になった。
「どうやら男のコっぽいんだよね。
カッコいい名前つけようよ!」
「んー。太郎とか、まさしとかどうですか?」
「良いじゃん、和って感じで。でももうちょっと捻りがほしいよね。」
ああでもない、こうでもないと言い合うのはとても楽しく、
すぐに時間が過ぎてしまった。
結局名前は太郎になった。

「結局最初のになっちゃったね。」
「はい。でも、良いと思いますよ。」
圭祐がもう家に帰る時間になった。
まだ7時前だが、することも無くなったので帰るのが妥当だった。
最後の方はだんだん打ち解けてきてすごく気軽に話せた。
(楽しかったな。)
もう終わりか、と光里が寂しく思っていると圭祐が
「あの、また、太郎の様子見にきてもいいですか?」
と言ってきた。光里はとても嬉しい気分になった。
「うん、是非!料理の腕あげるからまた一緒にご飯食べよ!」
(よし、料理がんばろ!)
と決意する光里だった。
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