第9章 最終章 晴れの帰り道
「っ、今、なんて!?」
圭祐は急に焦った様子でうろたえだす。
(あ、まずかったかな。やっぱり、そういう対象に見られてなかった?)
内心落ち込みつつも圭祐を見据える。
「えっと、その、、、どういう意味ですか?」
「は?」
返ってきたのはあまりにも予想外な答え。
告白に対してどういう意味ですか、って返ってくるとは思わなかった。
「だから、そのっ!好き、だから。付き合って、欲しいな、なんて。」
しどろもどろになりつつも必死に答える。
こんなこと言わされると思っていなかったから、きっと顔は赤いに違いない。
今更心臓が騒ぎ出す。
不安になってきて、顔があげられない。
少し間があった後、圭祐が口を開いた。
「えっと、、、僕も、好きです。」
(えっ?今、好きって、、、)
言われて、弾かれたように顔を上げ、圭祐を見ると圭祐とバッチリ目があった。
圭祐は言った途端に恥ずかしくなったのか布団に顔を埋める。
「うぅぅぅ、、、」
「和泉君?」
(どうしたんだろう。言ってから後悔してるとか?)
ドキドキしながら次の一言を待つ。
「なんか、恥ずかしくなってきた、、、。」
(恥ずかしく、って)
言われた光里まで恥ずかしくなってくる。
でも、そんなことを言う圭祐が誰より愛おしい。
好きで好きでたまらない。
君と食べるご飯が、君と歩く道が、
君と見る映画が、きみと過ごす時間が、
なによりも大切で、大好きだ。
「和泉君。」
「はい?」
「愛してる。」
「っ、僕もです、、」
消え入りそうな声だったが、しっかりと耳に届いた。
目を合わせ、笑い合う。
先程までの不安も何もかもがどうでもいい。
これからも、君と一緒に歩いて行きたい。
まだ見たことない君を、たくさん見たい。
この晴天の下で。