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雨の帰り道

第8章 緊急呼び出し


光里は車を飛ばしながら考えた。
(和泉君が、総合病院?どういうこと?でも、すごく焦ってたみたいだし、、。大丈夫かな)
すごく大変で、心配なのに、だからこそなのか、すごく冷静になれた。

病院の入り口まで着くと、多田が待っていた。
「的羽さん」
「多田くん!連絡ありがとう。何があったの?」

「今夏休みで、あいつぶかつやめちゃったからしばらく会ってなかったんですけど、
今日スーパーの前であいつに会って、声かけたんですけど元気なさそうだったんで大丈夫かって聞いたら
いきなり倒れちゃって。とりあえず救急車呼んでから、大人の人に連絡しなきゃって思って、
でもでも、あいつの父さん海外だし、俺もあいつも知ってる大人って的羽さんしか思い浮かばなくて。」

容量を得ない説明だったが、なんとなく事情は察した。
多田は偶然圭祐に会ったが、圭祐が倒れてしまい、急いで救急車と大人である光里を呼んだ、という事だろう。

「そうなの。それで、お医者さんはなんておっしゃってたの?」
「なんか、重大な病気らしくて、名前は難しくてよく覚えてないんですけど、目覚めなかった場合最悪死亡って、、、」

(死亡、、嘘でしょ?)
「1ヶ月ちょっとくらい前に既に言われてたらしくて、多分、部活やめたのも迷惑かけたくないからなんだと思います。」
(ああ、そうか。迷惑かけたくないから、部活やめて、“もう行きません”って言ったんだ。
本当に和泉君らしい考えだなぁ。)

「今はどうしてるの?」
「今はまだ面会禁止だそうですけど、明日か明後日には会えるみたいです。ーーまぁ、昏睡状態ってやつで意識はないんですけど。」
「そっか、、、。」

(お見舞いに来たいけど、迷惑かな。)
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