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雨の帰り道

第1章 雨の日


とりあえずリビングダイニングに男性を通した後、
光里はご機嫌でキッチンに立った。
(この前部屋掃除したばっかりで本当によかった!)
リビングを覗くと男性がそわそわと落ち着かない様子でテレビを見ていた。

今日はなんだか夕食が楽しみで仕方がない。
まだ名前も知らないあの男性が気に入っているようだ。
(なんでだろう、なんだかワクワクする。)

年下の男性と話す機会で盛り上がっているのだろうか。
大学では1年生だし、バイトも年下は女子が1人しかいないので
案外そうなのかもしれない。

それとも、普段じゃありえないこの状況にワクワクしているのだろうか。
確かに雨の日に仔犬を看病してそれを拾った男性と食事するなんて事この先ないだろう。
(いけない、気を引き締めるのよ!)
そうは思うものの、やはり夕食が楽しみだった。

メニューは鶏肉の炒め物と味噌汁にした。
料理が得意でない光里でも簡単に作れたし、
男性はお腹が減っているようだったので早めに完成できるものにしたのだ。

「あ、あのっ!何か手伝います。」
「えっと、じゃあもうできたからそこの炒め物を運んでもらってもいいかな?」
男性はせっせと炒め物を運び、光里が運ぼうと思っていた味噌汁やご飯まで運んでくれた。

(なんか真面目でちょっと可愛いかも。
仔犬っぽいな〜笑
って、私、変態か!気をひきしめろ!!)
セルフツッコミをしつつ、光里も食卓についた。
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