第6章 大人のヨユウ
食べ終わり、テーブルでまだ少し談笑している頃。
(えっと、1728円か)
無意識に光里が財布から1000円札2枚と50円玉を出すと
「あ、僕払います!」
と圭祐が言ってきた。
「いいよ、払うよこれくらい。」
(自分のわがままに付き合わせてしまっているわけだし、、、)
「じゃあ、払わせてください。いつもお世話になってるんですから。」
最近の圭祐は少し頑固になってきたと光里は思った。
それも、光里が世話を焼こうとするときだけだが。
(遠慮させちゃってるのかな?)
「じゃあ、半々ね。」
「あ、、はい。」
光里と圭祐が店を出てしばらくして、ウィンドウショッピングを楽しむ事にした。
「あ、これ可愛いよ!」
「本当ですね。」
なんて会話をしつつ店を見て回っているとあっという間に時間が過ぎ、4時頃になってしまった。
まだ早い時間だが、光里達は”擬似的な恋人のデート”を終わらせる事にした。
(もう、終わっちゃうな、、。)
家へ向かう最後の曲がり角。
圭祐が急に声をかけてきた。
「あ、あの!」
「え?どうかした?」
光里が振り返ると圭祐は予想外の言葉を発した。