第6章 大人のヨユウ
「じゃあ行きましょう。映画見るんですよね?」
「うん。その後ご飯食べて、そんでお買い物しよう。」
「やっぱりベターなの好きじゃないですかw」
「えー、いいじゃん!」
「そうですね。映画館はこっちです。」
自然な流れで圭祐が歩き出したので、光里も圭祐の横を歩いた。
(当たり前だけど、服装褒めてくれるとかないんだな〜。)
思えば圭祐の前で髪を下ろした事はなかった。
圭祐の私服は初めて見たが、いつものジャージ姿よりもいくらか大人びて見える。
(かっこいいなーとか思うのも私だけなのかな?)
映画館に着き、二人は何を見るか考え始めた。
事前に相談するか迷ったが、来てからの方が圭祐の好み等も知れる気がした。
「あ、これ観ませんか?」
圭祐が指を指したのはミステリーの映画だった。
「うん。面白そうだね。和泉君はミステリー好きなの?」
「この原作が好きなんです。」
「そっか。じゃあこれにしようか。20分後に開演だって。楽しみだなぁ。」
「はい、そうですね!」
そう言った圭祐はとても嬉しそうだった。
(良かった。)
光里も楽しみだった。
二人はポップコーン1つと、それぞれジュースを買って席に着いた。
ヴィー、という開始の合図が鳴る。
光里の隣の席に座る圭祐は目がキラキラしている。
(可愛い。)