第6章 大人のヨユウ
「服良し、髪良し、バッグの中も良し!」
ついに迎えた週末、日曜日。
光里は鏡の前でデート前の最終チェックを行なっていた。
今日の光里は淡い水色で小花柄の普段使い用のブラウスに、濃い水色のスカートだ。
光里には可愛すぎるのでは、とも思ったが綾奈がこれでいい、と言ったのでこれに決めた。
「よし、じゃあもう行こう。」
少し早かったが早めに着いて、自分を落ち着かせたかった。
(ちょっとでも和泉君が私の事好きそうな素振り見せてくれたら、告白しよう。)
そう決めていた。
(まだいないな。)
時刻は9:45。まだ15分もある。
(不思議だな。)
待っているのが苦ではなかった。待ち遠しさはあるものの、この時間すら楽しい。
「お、お待たせしてすみません!」
5分前になった所で圭祐が来た。
「大丈夫。まだ5分前だよ。」
光里は笑って答えた。
「でも、すみません。」
「気にしなくて良いよ。わた、、、」
そこまで言いかけて口をつぐむ。
今日の2人は“今日だけの恋人”だ。年齢差とか関係無かった。
“私の方が年上だし”の代わりに他の言葉をいう事にした。
「待った?っていうのやりたかっただけだから。」
「定番ですね。今日の的羽さんは僕の彼女ですもんね。」
圭祐も笑って返してくれた。
(これは、いけるのか!?どうなんだろう、、。)
光里は決断した。
(今日、告白する。振られたって大丈夫、きっと。)