第5章 2年差
客観的に見れば最低な行為をしていると光里はわかっている。
圭祐に好きな人がいるのわかっていてこんな事をお願いしている。
(振り向いてくれるわけ、ないのに。)
ちょっとでも独占したかった。
(20間近の女が幼気な高校生を狙っているなんて、馬鹿馬鹿しい話だよね。)
それでも、この気持ちは本物だ。誰にも否定はさせない。
(どうか、お願い、、、。)
「僕で、良いなら。」
圭祐は何秒か悩んだあとそう言った。
「本当?私が言うのも変だけどさ、和泉君好きな子いるんでしょ?」
「大丈夫です。」
「大丈夫は禁止って言ったもん。無理するくらいなら断ってよ。」
光里は圭祐が自分で言った頼みを引き受けてくれると言ったにも
関わらず、なぜか否定してしまっている。
(嫌われたくないだけ。お荷物にはなりたくないんだ。)
「本当に平気です。好きな子だって、大丈夫です。」
「なんで?」
「秘密です。それより、もう前言撤回はさせませんよ?
やっぱりやめるならこれがラストチャンスです。」
「和泉君がいいなら。でも、付き合ってって買い物にじゃないよ?
1日だけ限定の私の彼氏として一緒に買い物行こうって言ってるんだよ?」
「分かってます。」
「どこ行きたいんですか?どこでも一緒に行きますよ。」
「んー、どこでも。あ、駅前は?お店たくさんあるよね。」
「ありますね。じゃあそうしましょう。
迎えにきましょうか?待ち合わせにしますか?」
「待ち合わせは?」
「それなら、10時に駅前の時計の所はどうですか?」
「うん。そうしよう。楽しみにしてるね。」
「僕もです。」