第4章 誕生日
翌日。圭祐の誕生日が翌々日に迫った6日。
「綾〜!」
「あ、光里。おはよう。」
光里は大学で講義の前に、親友の佐々木綾奈に話しかけていた。
綾奈は女子力が高く、いつも相談に乗ってくれる。
「このあと空いてる?ちょっと相談があるんだけど、、。」
「講義の後?空いてる。いいよ、どうせまたあの坊ちゃんのことなんだろうけど。」
「ありがと〜!!」
綾奈は光里の良い理解者だった。
雨の日の翌日も太郎と圭祐の事を話したし、コンクールに誘われた事も、
そのコンクールで光里が圭祐への気持ちに気がついた事も全部知っている。
講義を終えたあと、近所の喫茶店へ行った。
とても落ち着くし、値段もそんなに高くない。
一通り話し終えると、綾奈は頷き、
「まずは明後日、誕生日プレゼントからだね。」
「うん。でも、何選んだらいいのかわからなくて未だに買ってないの。」
「そっか。でもさ、光里。」
「何?」
「そんなに気負うことないと思うよ。
私は、坊ちゃんは光里が好きだと思うな。
そうじゃなきゃこんな事言わないっていうの結構あるから。
恋愛感情じゃなくても、坊ちゃんも離れたくないって思ってると思うな。」
「そうかな。」
(だったら嬉しいな。綾の言うこと信じよう。)
「で、話逸らしちゃったけど誕生日プレゼントだよね。
何が好きか私にはわかんないけど、坊ちゃんは光里が好きなんだと思う。
そのまんまの光里が。だから光里が坊ちゃんにあげたい物でいいんじゃない?」
「うん!」
「頑張る。」
「うん。頑張れ。」
(綾に相談してよかった。)