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Pink*Flower Blossom♡番外編①

第3章 皆が頑張るWhiteDay


〈 時環 花臣 side episode 〉







『......よっし...!』




花臣は、とりあえず手当り次第に作った
何個ものお菓子たちを見て、満足気に腕を組む。


『......お菓子としての出来は...
まぁ、この僕が作ったんだし、
最高傑作以外の何ものでもないなっ!
...............でも...』


『本当にこれでいいのかな...?』


花臣は腕を組んだまま
うーん、と瞳を強く瞑って首を傾ける。



(あのめるちゃんのことだ、
普通に美味しくて見た目にも可愛い出来の良いお菓子よりも、それこそひーちゃんが作ったような、
美味しくもないし形も不格好だけど
あたかも一生懸命作りました!的な感じのものの方が
心に深くくい込むんじゃ......)


そんなことを考えてゆっくりと瞳を開く。


『.........ありえる。
......ありかなしかで言ったら...
...めっちゃくちゃ、ありえる......。
てかむしろ!そうとしか思えないっ...!』


これは由々しき事態だと花臣は瞳を泳がせる。

(ただでさえ、めるちゃんにとって
ポイントの高そうなひーちゃんに、
また高得点を叩き出されたら......
やばい!!これは...!
とにかくひーちゃんのところへ...!!)


花臣が、真反対側にいる羊を探そうと顔をあげるとー...


『...ん?』


(あれ...?ひーちゃんがいない...)


羊がいるはずの場所に彼の姿がなく、
花臣はサァーっと血の気が引くのを感じる。


(やばい...!
まさかあいつ、もうめるちゃんに...!)

急いで羊を追いかけようと身体を動かすとー


ーゴンッ!!!!!


『あっ!!』


出来上がったお菓子を置いてあった台に
思いっきり足をぶつけ、その痛みに座り込む。


『いっつー.........
て、あああああっ!!!』


花臣が台の上に目をやると、
足をぶつけたことにより
上にあった繊細で美しいお菓子たちが
無残に形を変えていた。


『あぁ...!
せっかく作ったのに......はぁ...
...いや!でも今はそんなことより......』


(とにかくめるちゃんに会う前にひーちゃんを捕まえないと...!)


痛みにヒョコヒョコと足を引こずり、
花臣もまた、台所を後にした。
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