第7章 I am having fun
《第一回戦最終試合!第八試合!
中学からちょっとした有名人…カタギの顔じゃねぇ!
ヒーロー科、爆豪勝己!
VS
俺…こっち応援したい…
ヒーロー科、麗日お茶子ー!》
くるみは、瀬呂から爆豪に視線を戻すと、ぬいぐるみを抱きしめた。
抱きしめられたぬいぐるみが形を変えるほど強い力で…
「お前…浮かすやつだな、丸顔」
荒んだ瞳で麗日を睨みつける爆豪
「丸…」
気にしているところを言われた、麗日は傷ついた表情を浮かべた。
「引くなら今引けよ、痛てぇじゃすまねぇぞ…」
忠告のつもりなのか、単なる脅しか、睨み合う二人にそれ以上の会話はなかった。
《第八試合…スターーーート!!!!!》
けたたましくプレゼントマイクが叫ぶと同時、
麗日は身を低くして、爆豪に走り間合いを詰めた。
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麗日お茶子 個性(ゼロ・グラビティ)
触れたものの重力をなくす。
物も自分も浮かせられるが、
自分を浮かすと激しく酔う。
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「引くなんて選択肢……無いから!!」
「じゃあ、死ね」
目の前1メートルのところまで駆け寄った麗日
その顔面に向かって容赦なくうち放たれる爆破
「ヒィ!」
「モロかよ…」
「女の子に容赦ないわね、爆豪ちゃん」
女子相手に顔めがけての爆破に、辺りはざわついた。
「片付けてやる…」
煙幕で見えなくなる視界の中、揺らめいた影に爆豪はとびかかった。
「舐めんじゃねぇー!!!」
が、爆破したのは、ただのジャージのみで
本体の麗日は、爆豪の裏に周りその背中に手を伸ばした。
「ここで浮かせちゃえば…!」
だが、爆豪は瞬時に振り返り、ほぼゼロ距離で爆破を起こす。
吹っ飛ばされる麗日の体は床を打ち、何メートルも先に叩きつけられた。