第6章 I am so cold
だがそれがくるみが爆豪の方を見た最後で、すぐに轟の方に向き直り、轟の応援に徹した。
『…轟くん、なかなか取れないね…
デクくんって人…すごいなぁ…』
「正直、もっさりしててパッとしないけど、予選も一位通過だしすごい人なんだろうねー」
時間は残り1分…このままでは緑谷が逃げ切る
誰もがそう思った時だった。
突如、爆発とともに立ち上った黒煙
ガソリンを燃やしたような匂い。
瞬間移動でもしたかのように、轟の騎馬は先程いたところから、緑谷騎馬の裏側に回っていて
そして
轟の右手には緑谷のハチマキが握られている
《なんだ…!飯田…その超加速!!!
その果てを制した轟焦凍ォ!1000万!!!!!
そして、緑谷、急転直下の0ポイントォ!!!!!》
『やったぁぁ!!!!!轟くん!!』
くるみは立ち上がりその場で跳ねる
が、その喜びもつかの間、緑谷の騎馬が轟に向かって突っ込むと
轟の表情が変わった。
緑谷の腕が轟に伸び、その防御をはらう
轟の左手から生まれる火種が掻き消え…と同時に緑谷が1番上のハチマキを掴んだ
「取られた!」
『うそ…!』
だが、そのハチマキは1000万ポイントではなく70ポイントのもので…
1000万ポイントは未だ轟の首元に巻かれているうちのどれか。
『轟くん!!!!!逃げ切って!!!!!』
くるみは身を乗り出して、叫ぶ。
が、その目の前を爆豪が爆破で飛び上がり通過して行った。
まるで、全ての時が止まったかのようだった。
爆豪は一瞬くるみを見たが、すぐに方位を変え目の前の1000万のハチマキに飛びかかる。
「半分野郎ーーーーー!!!!!」
爆豪が、轟の騎馬に到達する直前で無慈悲に告げられる
《タイムアーーーーップ‼︎》
爆豪は地面にベチャッと着顔しての終戦だった。