第5章 I am weak
「さーて、それじゃあさっそく第一種目行きましょう。」
「雄英ってさぁ、なんでもさっそくだよねー」
ミッドナイトの進行に、レイナが爪をいじりながらツッコンんだ
「いわゆる予選よ!毎年ここで多くの者が涙を飲むわ…!
さて運命の第一種目!!今年は・・・・コレ!!」
大画面モニターに記された種目は…
『障害物競争・・・・』
くるみは画面の文字をそのまま読み上げ、生唾を飲む。
「計11クラスでの総当たりレースよ
コースはスタジアムの外周約4km!
我が校は自由が売り文句!
コースさえ守れば【何をしたって】構わないわ!
さあさあ!位置に付きまくりなさい!」
ミッドナイトが不敵な笑みをたたえ、意味ありげにルール説明をする中
スタートラインである通路前に並び立つ生徒たち。
頭上の三つのランプが順にカウントを増やし光っていく。
「3.2.1…スターーート!!!」
スタートコールが鳴り響く中、一斉に細い通路になだれ込んだ。
220人の生徒が一気に通るには、狭すぎる通路
当然、もみくちゃになり全く進むことなどできない
くるみは、先ほど轟に耳打ちされた言葉を思い出していた。
ーーー「最初は先頭を走れ」
そう言われた通り、先頭組に混ざって通路を抜け出たくるみは
轟から離れたところを走っていた。
轟は少し後ろを振り返り、氷結を張る。
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轟焦凍 個性(半冷半燃)
右で凍らせ左で燃やす
温度も範囲も未知数だ
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『わ!っ…ジャンプ!』
くるみがそう命じると、ぬいぐるみは飛び上がり、張られていく氷結を避けることができた。
そのすぐ横をBOM!と音を立てて爆豪が飛んでいく。
爆豪は一瞬だけくるみを見たが、またすぐ前を向き
「半分野郎!!!」
と叫びながら飛んでいった。
ジャンプ状態から着地したくるみは、ぬいぐるみを抱えたまま氷上を走る。
時よりこけそうになりながら走っていくと、目の前にはあの入試試験時の0~3Pまでの仮想ヴィラン。
『うそ…』