第5章 I am weak
(気付やカス)
そう念じて睨みつけるも、くるみが爆豪に気づく様子は全くない。
くるみはクラスメイト達と楽しげに話をしていて、その中には当然男子生徒も混ざっている。
くるみの隣を死守している男子生徒の1人が、笑ったついでにくるみに触れるのを見ると、爆豪はなぜか目をひん剥いてその男を睨みつけた
その殺気に気づいたのか、くるみがパッとA組の方を見つめる
(やっと気づきやがったかよ…)
とはいえ、ポケットに入れた手を出すのもめんどくさい、
だが、なんと声をかけていいかも分からず、どうしたものかと考えていると、呼ばずともくるみがちょこちょこと人の間を縫ってこちらに近づいてくる。
手元のぬいぐるみが邪魔になっていて、なかなかこちらに近づいてこれないようだ。
やっと近づいてくると、ニコニコと嬉しそうな顔で口を開くと
『轟くん!』
そう言って、爆豪から5人分離れた、轟の前で立ち止まった。