第4章 I am hot
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放課後、俺とくるみは、またフードコートに来ていた。
くるみはシェイクを飲みながら、俺の話を聞いている。
「今日は爆豪機嫌がかなり悪くて…
対人戦闘訓練の相手は、尾白だったんだが
かなりエゲツなくやられていた」
『そっかぁ…わー♡めちゃくちゃ怖い顔してたんだろうなぁ…』
くるみはふにゃーと目を垂らして頬を染め、うっとりとした表情になる。
『でも、何で機嫌が悪かったんだろう?
何かあったの?』
くるみの問いかけに、少しだけドキッとした。
多分その原因は、昼のあの会話だ…。
「くるみが、他の男とデートをしている」
それを聞いてから、爆豪はあからさまに機嫌が悪くなったから…。
けれど、俺は少しだけシェイクに口をつけて
「わからねぇ…」
と答えた。
『そっかぁ』
くるみも、特にそれ以上聞いて来ることもなく、ペラペラと雑誌をめくる。
先日コンビニで立ち読みをしていた雑誌だ。
熱心に読んでいるのはやはりあの【男を落とすテクニック100】のページで、ここ何日かくるみはここばかりを読んでいる。
「それ、本当に効くのか?」
先日同様の質問をすると、くるみは
『わかんない…試してないし』
と困ったように笑った。
『爆豪くんから「近づくなー」って言われてるし…
近づかずにできるテクニック探してるけど、なかなか無くて…』
「そうだろうな」
『でも、【これで落ちなきゃ男じゃない!】って書いてあるし、きっとすごく効き目があるんだと思うの』
くるみは雑誌を握りしめて眼を輝かせた。
そんな彼女の頑張る姿を見ていると、どうにか力になってやりたいと思ってしまう。
「試してみるか?」
『え?』
「試してみればいい、俺で。」