第4章 I am hot
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くるみが俺を応援すると言ってくれてから一週間が経とうとしていた。
学校ではこうして話すことはないが、くるみとは毎日のように放課後、会って話をしている。
いつしか、昼食時の僅かな時間でも
くるみの姿を探していることに気づいた。
別に話しかける用事があるわけでもねぇのに…
それに、時々やけに寂しくなることがある。
くるみがヒーロー科で、同じクラスなら良かったな…なんて思う
そんなよくわからない感情に首を傾げていると、目の前を爆豪が通りすぎて少し離れた席に座った。
上鳴と瀬呂が、爆豪に話しかけてるが、爆豪は面倒くさそうに無視をしている。
「なー、やっぱ謝ったほうがいいって」
「くるみちゃん、あれから一週間くらい話しかけてこねぇじゃん!」
くるみ、という単語に反応して視線を上げると、
爆豪は舌打ちをして上鳴を睨んだ。
「んで、俺が謝らにゃいけねーんだ」
「そりゃ、だって
ひでぇだろ。あんな可愛い子突っぱねて!可愛いオメガ最高じゃん!あーあー、俺もアルファだったらなぁー…、ベータじゃつがいになれねぇもん」
「くるみちゃんも、なんでお前みたいな性悪好きになったんだろうな、やっぱアルファだからか?」
瀬呂の言葉に心の中で同意する。
俺も、くるみがあいつを好きな理由を何度聞いても
アルファだから、という理由をつけねぇと理解できねぇ…
「あ、でもオレ。
こないだ見ちゃったんだよねー」
上鳴はニヤニヤ笑うと、瀬呂に顔を近づけた。
「くるみちゃんが、他の男と会ってるところ」
「はぁ?!」
声をあげたのは、瀬呂ではなく爆豪だった。
あからさまにイラついた様子で、上鳴を睨みつけている。
「いや、すぐそこのモールのフードコートでさ、
くるみちゃんが雄英の制服着た男とデートしてたんだよ。」
「いつ?」と瀬呂が聞くと、「んー?月曜の放課後だったかな」と上鳴が答えた。
(俺だな…)
蕎麦をすすりながら聞き耳を立てる。
くるみと月曜の放課後、フードコートにいたのは俺だ。
クレープを食ったことねぇって言ったら連れていかれた。