第31章 I am nothing
艶やかな肌を、死柄木のカサついた指先が這うたびにくるみは体を硬直させて喉を反らせた。
『やっ…なんか……この感覚久しぶり…』
くるみの手が誘うがまま、死柄木はその柔らかな胸を両手で持ち上げる。
プツン…と音を立てて外れた下着のフロントフック
ゆっくりとはだけて、現れたのは桃色の恥じらい…
たっぷりとした白い肉に男はしゃぶりついた
『うぁ…♡』
くるみは両手のひらで顔を隠し、指の合間から死柄木が食いつく姿を凝視する
じゅん…と溢れてくる淫蜜
太ももをすり合わせて隠すが
死柄木はそれを許さず、股肉を割って下着に指を這わせる。
「くるみ…もう誰にも、渡さない」
『弔くん……』
くるみは灰色の髪の隙間からこちらに送られる赤い視線に、ドクン…と体が熱を持つのを感じ、目を見開いた…。
(なに……これ…)
思い出すのは、愛された記憶。
何度も何度もむけられた、喰いつくような赤い瞳……
(なんで今…爆豪くんのこと……)
なぜか涙が滲みそうになった
忘れたはずの、偽りの恋劇
嘘で塗り固めた三ヶ月間
だが、それは確かに、そこに存在し、くるみの心を侵食した
「濡れてきた…」
『うそ…違……』
「別に恥ずかしがらなくてもいいだろ」
くるみの心の内など知らない死柄木は満足げに下着のクロッチを掴み引き上げた。