第4章 I am hot
くるみは、ふむ…顎を引くと長考した後に轟を見つめた。
『なら、、、体育祭は轟くんの応援するよ!』
「でも……お前は爆豪を応援すんじゃねぇのか」
さっき「邪魔だ」と言われたばかりのくるみに、デリカシーのかける質問だったが、くるみはヘラっと笑って首を横に振る。
『もちろん!爆豪くんのこと全力応援するよ?
でも…轟くんに一位になって欲しい!』
両手をキュッと握って胸元で小さなガッツポーズを作る。
『だから、体育祭は轟くんの応援する!』
「いいのか…?」
『いい!…って言っても、あんま意味ないし…迷惑かもだけど』
くるみは照れたように頭をかく
「いや、してくれんなら…して欲しい」
轟がくるみの瞳をじっと見つめてそう言うと、くるみは視線を逸らして頬を赤らめた。
『轟くんは…優しいね、
爆豪くんも、轟くんみたいにそう言ってくれたらいいのにな』
くるみは、足をぶらぶらさせながら弱々しく呟く
そんな彼女を見ていると、浮かび上がった1つの疑問。
「何で…爆豪なんだ?」
『え…?』
「何で爆豪が好きなんだ?
爆豪が、アルファだからか?」
オメガは、アルファとしか番(つがい)になれない…。
首輪を付けているということは、くるみはもう発情期【ヒート】が始まっているという証だ…。
発情期は、相当苦しいものだと聞く…だとしたら、オメガの発情期を唯一終わらせることのできる存在…アルファを強く求めるのは、当たり前のことだ。
それに、アルファ抜きにしてまで好きだと言うには、爆豪はいささか、性格に問題がありすぎる……轟はそう思えてならなかった。
「そこまで好きになる、魅力があるようには思えねぇ
アルファならこの学校にいくらでも居る…現に俺もアルファだ」