第29章 I am talking about our past
くるみが死柄木にしがみつくと、死柄木はくるみの頭を撫でた
「わかった」
『嬉しい…弔くん…』
繋がったまま止まっていた体は、またゆっくりと動き始める。
『ぁ…っ♡んん♡弔くん…♡弔くんっ』
何かから開放されたかのようにくるみは喉を反らせて死柄木の腕に爪を立てた。
顔は幸せそうに恍惚とし、快楽を貪る姿は中学生にあるまじきモノだが
今まで彼女がどれほど抑圧されていたか、想像に易い
開放されたことで、反動が来ているのだろうと、死柄木はくるみに同情した。
『ね、弔くんは…っあ、何してる人なの…?』
最中だと言うのに、くるみは目を輝かせて質問を始める。
『泥棒?、強盗?、詐欺?、強姦…は無さそうだよね
もしかして、人殺し?』
何がそんなに彼女を嬉々とさせるのか、質問内容と表情の釣り合いが取れていない。
そんなくるみに死柄木は男根の硬さを増した…
「……ゲーム」
『ゲーム?』
「あぁ、俺達がやろうとしているのは…
平和の象徴……オールマイト殺しゲームだ……」
そういって死柄木が笑を見せると、くるみはキョトン…と目を丸くした。
オールマイトと聞いて流石に恐れをなしたのか、
くるみは両手で口を覆い隠し、
眉を下げ死柄木を見上げる
『何それ………
最高じゃん……♡』
バッドマンだと。ジョーカーとハーレークイーンさらながらだ、
ヴィランの男を愛するあまり、男と同じ道を辿る。
女の性なのだろうか?
『弔くんの、その靴…かわいいね』
「最近のこどもは、なんでも可愛いって言いすぎだろ」
『そうかも。
でもかわいいね』
制服を拾い上げてその体に身につけながら、くるみは笑顔を向けた。
「それより、ヴィランになるって、いつからなる気だよ」
『え?今日からのつもりだけど』
「はぁ?」
どこまでも予想の上を行く中学生の小娘に、死柄木は頭が痛いと首を項垂れた。
「親に捜索願出されたら面倒なんだよ…
今日は一旦家に帰れ」
『ヤダ』