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【ヒロアカ】アイアム!【オメガバ】

第29章 I am talking about our past




「ヤダじゃない。こどもかよ」

『子供だもん』


(たしかに)
死柄木は首をバリバリかきながらどうしたもんかと首を捻る。


「……一旦、先生に会わせないと」

『先生…?弔くん学校いってるの?』

「行ってるように見えるかよ」

『んーん、見えない』

くるみはフルフル首を横に振り、死柄木の腕に絡みついた。


『その先生に会ったら、ヴィランになれる?』

「先生が決める」

くるみはニコリと笑うと、死柄木と手を繋ごうと手のひらに指を伸ばした。


が、死柄木は両手をパッと高く掲げて、くるみに触れさせないようにする。



『……弔くん?』

「俺の手のひらには、触るな」


『なんで?』

「壊れるから」

そう言いながら、死柄木はその片手で近くに落ちていたクッションを掴んだ。

クッションは5秒も経たないうちに塵(チリ)と化し
姿を消す。





『ヤバ…』

「崩壊、俺の個性だ…五指で触れるもの全て、塵になる。」



くるみは死柄木を潤んだ瞳で見上げ、死柄木の手首を掴むとゆっくりと自分の目の前に持ってきた


『いつでも殺されちゃうね……私』

「オイオイ、俺がそんなに非道に見えるのかよ」


『見えるけどね、見た目から完全にヴィランだし』

冗談めかして笑う彼女は、あろう事かその手を首筋に押し当てた。

死柄木は指を一本浮かせて、くるみを壊さないようにするが、その行動は自殺行為にも等しい…

何が目的なのかとひたすらくるみを見つめるが

くるみは伏せた瞳を持ち上げると
ゾクゾク体を震わせながら笑顔を作った。


『いつ殺されるか分からないなんて…最高だね』



「……狂ってるな」


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