第29章 I am talking about our past
「…ハァ……ハァ」
『…んぅ』
3分間にも及ぶ、長い射精の後繋がったままの2人は唇を柔らかく重ね合った。
唇が離れると、くるみの瞳が青と藍と濃紺を重ねたような色をした
先程まで何色にも見えていたはずの瞳に、死柄木は瞬きをして、また見つめ直す
今度は、またさっきのように例えがたい色の輝きを宿す彼女は
少し大人びた雰囲気で死柄木の腕の中に抱かれた。
『…お兄さんってさ』
最中、『弔くん』と呼んでいたはずの彼女が
いきなり他人行儀な呼び方をしたので、死柄木は怪訝な顔をする
『ヴィランでしょ』
その言葉に、死柄木は体を起こし、マジマジとくるみを見つめた
この運命の行動によっては、酷いことをしなくてはいけなくなるかもしれない…
だが、既に深く愛してしまったこの女に、酷いことはしたくない
そんな思いが交差する中、
当の本人は、無言になってしまった死柄木を上目遣いに見つめながら、
シーツから剥き出しになった白い美脚をパタパタとベッドの上で弾ませた。
『私もなりたいな、ヴィラン』