第28章 I am a Villain
『最初は轟くんから情報を【抜こう】と思ってたけど…彼、他人に興味無さすぎて使い物にならなかったんだよね
デクくんと【お友達】になれて本当によかったァ』
「……」
『で…あぁ、個性だっけ?
私の個性は【四肢操作】
四肢のある意識を持たないものなら何でも操れる…。死体とか、マネキンとか。
今のところ、1キロ圏内、同時に30体くらいまで…
ちなみに、追跡もできるよの。
私の手作りのぬいぐるみちゃん達ならね…』
轟は、ハッ!と自分のポケットの中にある、柔らかなぬいぐるみを思い出し、青ざめた。
『今回死体を使ってるのは、あんたがたヒーロー様は例え死体であっても…手を下せないでしょ?【一般市民】には…。』
「卑劣な…!」
オールマイトの呻きに、くるみは傷ついたような表情をする……が、それも演技なようで、次の瞬間ニヤリと笑った。
「なら……俺のことは……」
足元で聞こえたうめき声に、くるみは視線だけ動かして見下ろした。
視線の先、爆豪が泣き出しそうな表情で、くるみのことを見上げている
「俺とのことも…全部、演技だったんか…」